塾の選び方は:塾の選び方は、任せる仕事を決める、候補を3つに減らす、年間の費用と予定表を手に入れる、体験を期間で受ける、親子で入塾を決めるという5つの手順を、この順番で踏むことです。順番を入れ替えると、比べる物差しがないまま候補だけが増えます。1つの手順に1〜2週間、全体で1〜2か月が目安です。
「どこも良さそうに見えて、決め手がないんです」
塾選びの相談で、いちばん多く聞く言葉です。資料を取り寄せ、口コミを読み、体験にも行った。それなのに決められない。私自身、3人の子どもで8つの塾を経験するあいだに、同じ状態に何度も陥りました。
決められなかったときを振り返ると、共通点がありました。情報は十分に集めていたのに、集める順番が逆だったのです。何を任せるかを決める前に体験へ行き、費用の総額を知る前に子どもが気に入ってしまい、あとから比べる物差しを探していました。
この記事では、塾を選ぶ手順を5つに分け、それぞれで何を決めればよいか、どのくらいの期間をかけるかを順に整理します。検索やAIで出てくる「塾選びのポイント」を、実際に動く順番へ並べ替えた記事です。
この記事の要点
- 塾の選び方は5つの手順で決まる。任せる仕事→候補を3つに→費用と予定表→体験→入塾判断の順に進め、全体で1〜2か月をかける
- 手順1で決めるのは塾に任せる仕事を一つだけ。一文で書けないうちは候補を探さない
- 手順2では通える範囲と授業の形で候補を3つまで減らす。通塾時間の上限と帰り道の安全を先に決める
- 手順3では月謝ではなく、講習・模試・教材を含めた年間の費用と予定表を資料と説明会で手に入れる
- 手順4の体験は1回ではなく期間で受け、同時に2つ並べない。家庭で記録するのは授業の説明・宿題の時間・質問の有無の3つ
- 手順5では、通い続けられるかは子どもに、費用と契約は親が引き取る。決める項目を親子で分ける
- 臨海セミナーは教室での面談と1か月の体験期間、体験中の電話報告という、試してから決める手順を公式に示している
| 手順 | 決めること | かける期間の目安 | ここで使う情報 |
|---|---|---|---|
| 1 任せる仕事 | 塾に任せる仕事を一つ | 数日〜1週間 | 通知表、定期テスト、本人との話 |
| 2 候補を3つに | 通える範囲と授業の形 | 1週間 | 地図、学校からの動線、塾の公式サイト |
| 3 費用と予定表 | 年間の総額と通う日程 | 1〜2週間 | 資料、説明会、料金表 |
| 4 体験 | 授業が届くか、続けられるか | 2〜4週間 | 体験授業、家庭の記録 |
| 5 入塾判断 | 入るか、どこに入るか | 数日 | 手順1〜4の記録 |
目次
- 塾の選び方は5つの手順で決まる──順番を入れ替えると決め手が消える
- 手順1|塾に任せる仕事を一つに決める──決まるまで候補は探さない
- 手順2|候補を3つまで減らす──通える範囲と授業の形で先に落とす
- 手順3|資料と説明会で、年間の費用と予定表を先に手に入れる
- 手順4|体験は1回ではなく期間で受ける──家で記録する3つのこと
- 手順5|入塾を決める──親が決めることと、子どもに決めさせること
- 臨海セミナー──面談・1か月の体験・電話での報告で、試してから決める手順を組める
- 他の塾は入塾までの手順をどう組んでいるか
- 失敗する選び方──手順を飛ばした家庭で起きる5つのこと
- 入ったあとの3か月──選び方が合っていたかを確かめる
- よくある質問
- まとめ
塾の選び方は5つの手順で決まる──順番を入れ替えると決め手が消える
手順の順番は:塾の選び方の手順は、任せる仕事、候補の絞り込み、費用と予定表、体験、入塾判断の順です。前の手順で決めたことが次の手順の物差しになるため、この順番を守ると、体験のあとで比べる基準がすでに手元にそろっています。
塾選びの解説を読むと、目的、授業の形、費用、通いやすさ、体験授業といったポイントが並んでいます。どれも正しいのですが、並んでいるだけでは動けません。困るのは、どれから手をつけるかが書かれていないことです。
ポイントには、後のポイントの物差しになるものと、物差しを当てられる側のものがあります。目的は物差しです。体験授業は物差しを当てられる側です。物差しを持たずに体験へ行くと、子どもの「楽しかった」と先生の話のうまさだけが判断材料に残ります。
手順の全体像と、かける期間の目安
5つの手順を、動く順に並べると次のようになります。
塾に任せる仕事を一つに決める
通知表と定期テストを見ながら、塾に何をしてほしいかを一文で書きます。数日から1週間
候補を3つまで減らす
通える範囲と授業の形で落とします。地図と公式サイトで1週間
年間の費用と予定表を手に入れる
資料請求と説明会で、講習や模試を含めた1年分の総額と日程をそろえます。1〜2週間
体験を期間で受ける
1回の授業ではなく、宿題と次の授業までを含めて試します。1塾あたり2〜4週間
親子で入塾を決める
子どもに委ねる項目と、親が引き取る項目を分けて決めます。数日
全体では1〜2か月かかります。長く感じる方もいると思いますが、入ってから合わないと分かって移る場合の手間と費用に比べれば、ずっと小さな時間です。急ぐ事情があるときは、手順1と2を一晩で済ませてもかまいません。省いてはいけないのは手順3と4です。
AIの答えや比較サイトの「ポイント」を手順に並べ替える
検索すると、AIの要約や比較サイトに「塾選びのポイント」が5つから8つほど並びます。それらは次のように手順へ振り分けられます。
- 目的を明確にする──手順1。ほかのすべての物差しになる
- 授業の形(集団か個別か)を選ぶ──手順2。候補を落とす道具として使う
- 通いやすさと安全──手順2。候補に入れる前の足切りになる
- 費用を総額で確かめる──手順3。月謝ではなく1年分で見る
- 講師の質や塾の雰囲気──手順4。資料ではなく体験でしか分からない
- 体験授業を受ける──手順4。回数より期間で受ける
こうして振り分けると、ポイントの一覧がそのまま1〜2か月の予定表になります。塾選びでつまずく家庭の多くは、ポイントを知らないのではなく、ポイントを同時に考えようとしています。
手順1|塾に任せる仕事を一つに決める──決まるまで候補は探さない
最初に決めるのは:塾選びの最初の手順は、塾に任せる仕事を一つに決めることです。定期テストの点を上げる、受験の学力をつける、つまずいた単元を戻って埋める、家で勉強する習慣を作る。どれを任せるかで、向く塾の形が入れ替わります。
この手順を飛ばして候補を探し始めると、どの塾も良く見えます。どの塾も、何かの目的にはよく合うように作られているからです。候補を探すのは、任せる仕事が決まってからにしてください。
任せる仕事を一文で書く
私がすすめているのは、紙に一文で書くことです。「2学期の数学の定期テストで平均点を超えるところまで戻す」「中3の夏までに、志望校の過去問で合格点の半分が取れる学力にする」。主語は子ども、期限と到達点を入れます。
一文にならないときは、まだ塾に何を頼みたいのかが家族のあいだで決まっていません。無理に候補を探さず、通知表と直近の定期テストを並べて、どの科目のどこで点を落としているかを確かめるところから始めてください。
目的・性格・通いやすさの3つから向く塾の類型を出したい場合は、塾はどこがいいかを判定表で出す記事が近道です。この記事では、類型が出たあとの動き方を扱います。
家庭でよく割れる2つの目的
中学生の家庭で目的が割れやすいのは、「定期テストと内申」と「受験の学力」です。親は受験を見ていて、子どもは次の定期テストを見ている。どちらも正しいのですが、向く塾の形は違います。前者は学校の進度に合わせる指導、後者は学校より先に進む指導が向きます。
割れたときは、いまの学年で先に困るほうを選びます。受験まで1年以上あるなら定期テストが先、半年を切っているなら受験の学力が先です。2つとも必要なら、どちらを主に置くかだけ決めて、もう一方は塾の中で両方を扱えるかを手順4で確かめます。

『佐藤メソッド ── 3人の子と8つの塾を経験した母が本音で評価』
本書では、他人の声で候補を絞り、自分の目で決めるという二段構えを書きました。二段構えは、どちらの段も先に「何を任せるか」が決まっていて初めて動きます。物差しのない口コミ読みと体験は、どれだけ重ねても決め手になりません。
手順2|候補を3つまで減らす──通える範囲と授業の形で先に落とす
候補の減らし方は:候補を減らす手順では、通える範囲と授業の形の2つで先に落とし、3つまで絞ります。通塾時間の上限と帰り道の安全は、どれほど評判が良くても譲れない条件なので、最初に当てます。4つ以上を体験で比べると、記録が混ざって判断できなくなります。
検索サイトで地域の塾を探すと、数十の候補が出てきます。この段階で一つずつ調べる必要はありません。先に2つの条件で落とせば、残るのはたいてい5つ前後です。そこから3つを選びます。
通塾時間の上限を先に決める(帰り道の安全も含む)
通塾時間は、学習時間から引かれる時間です。片道30分の塾に週3回通うと、往復で週3時間になります。部活のある子にとって、この3時間は睡眠か家庭学習のどちらかから出ています。
上限は、家から塾までではなく、学校から塾、塾から家までの動線で決めてください。部活のあと直接向かえるか、夜の帰り道に人通りと明かりがあるか、雨の日に送迎が必要になるか。私は上の子のとき、地図上は近い塾を選んで、帰り道の暗い区間に後から気づきました。結局、週2回は送迎することになり、家族の負担が想定の倍になりました。
形で落とすときの境目
授業の形は、集団指導、個別指導、映像・オンラインの3つに大きく分かれます。手順1で決めた仕事と照らして、合わない形の候補をまとめて外します。
- 学校より先に進む学力をつけたい──集団指導を中心に残す。同じ志望帯の生徒と進度をそろえられる
- つまずいた単元まで戻りたい──個別指導か映像を中心に残す。集団では戻る時間を取りにくい
- 定期テストと内申を上げたい──学校別の対策を持つ集団か、個別を残す。形より学校別の対策があるかで分かれる
形を決めきれないときは、子どもが学校の授業でどう過ごしているかを思い出してください。授業中に手を挙げて質問できる子は、集団の中でも自分の分からないところを拾えます。先生に聞くより友だちに聞く子、分からないまま黙っている子は、個別のほうが分からない地点を早く見つけてもらえます。性格で決めつける必要はありませんが、形を1つ混ぜて試す理由にはなります。
候補を3つにするときは、同じ形の塾だけで3つにしないほうが比べやすくなります。集団2つと個別1つのように、形の違う候補を1つ混ぜると、我が子にどちらの形が合うかも体験で確かめられます。
塾そのものを評価する物差しを増やしたい場合は、塾選びの6つの判断軸をまとめた記事が参考になります。この手順では、評価より先に「通えない候補」と「形が合わない候補」を外すことだけを考えてください。
手順3|資料と説明会で、年間の費用と予定表を先に手に入れる
体験の前にそろえるのは:体験の前にそろえるのは、講習・模試・教材を含めた年間の費用と、1年間の予定表です。月謝だけで比べると、講習が必須の塾と任意の塾の差が見えず、入ってから総額が想定を超えます。予定表は、部活や学校行事とぶつかる時期を先に知るために使います。
この手順を体験の前に置くのには理由があります。体験のあとは、子どもの気持ちが先に動きます。「ここがいい」と言われてから費用を知ると、親は断る理由を探す立場になり、話がこじれます。数字は、気持ちが動く前に手元に置いてください。
月謝の外にかかる費目を書き出す
資料や料金表を受け取ったら、月謝の外にかかる費目を書き出します。多くの塾で、授業料とは別に次のような費目が案内されています。
- 入会金・登録手数料──入るときに一度だけかかる
- 教材費──年に一度か学期ごと
- 季節講習(春期・夏期・冬期)──学年が上がるほど日数と金額が増える
- 模擬試験代──受験学年で回数が増える
- 施設費・維持費──月ごとに上乗せされる場合がある
書き出した費目を1年分に並べると、月謝が安く見えた塾と高く見えた塾の順位が入れ替わることがあります。中学生の塾代の水準を学年別に確かめたいときは、中学生の塾代の月平均を公的統計で整理した記事で、家庭の予算と照らし合わせてください。
講習が必須かどうかで総額が変わる
見落としやすいのが、季節講習が必須か任意かです。講習を年間のカリキュラムに組み込み、通っている生徒は全員受ける設計の塾があります。その場合、講習は追加の出費ではなく授業の一部で、月謝だけの比較は意味を持ちません。
必須かどうかは、資料に書かれていないこともあります。説明会では「講習は全員が受けるものですか」と、そのままの言葉で聞いてください。答えが「おすすめしています」なら、実質的に必須と受け取って予算を組むほうが安全です。
比較表を作って3つの候補を横に並べる方法は、学習塾を同じ条件で並べる比較表の作り方で扱っています。この手順で埋めた費用と予定表が、その表の行になります。
手順4|体験は1回ではなく期間で受ける──家で記録する3つのこと
体験の受け方は:体験授業は1回で判断せず、宿題をこなして次の授業を受けるところまで、2〜4週間の期間で受けます。1回の授業では講師の話のうまさしか分からず、続けられるかどうかは宿題と2回目以降の授業で見えてきます。
体験授業の1回目は、塾にとっても子どもにとっても特別な日です。講師は丁寧に説明し、子どもは緊張しながら集中します。この1回で見えるのは、塾のいちばん良い姿です。判断に要るのは、いつもの姿のほうです。
体験は同時に2つ並べない
候補が3つあると、一度に全部試したくなります。私もそうしました。結果は、どの塾の宿題か分からなくなった子どもが、全部を中途半端にこなして終わりました。記録も混ざり、何がどの塾の話だったのか、親の私も思い出せませんでした。
体験は1つずつ、順番に受けてください。3つを順に試すと2〜3か月かかる計算になるので、手順2で候補を3つまで減らすことに意味があります。時間が足りないときは、1つ目の体験で「ここで決めていい」と判断できるかを先に見て、決められなかった場合だけ2つ目へ進みます。
体験中に家庭で書き留めること
体験期間中は、授業のあった日の夜に、次の3つだけをメモします。数行で足ります。
- 今日の授業を説明できたか──「今日習ったこと、教えてくれる?」と聞いて、子どもの言葉で説明が返ってくるか。返ってこない日が続くなら、授業のレベルか進み方が合っていない
- 宿題に何分かかったか──部活のある日に収まる量か。毎回1時間を大きく超えるなら、入ったあとに生活が回らない
- 質問できたか──分からなかったところを誰かに聞けたか。聞けなかったなら、その理由(聞きにくい、何が分からないか分からない)まで書く
この3つは、体験のあとで候補を比べるときの材料になります。講師の印象や教室の雰囲気は、メモしなくても覚えています。覚えていられないのは、毎日の小さな変化のほうです。
体験当日に教室で何を見るか、面談で何を聞くかは、佐藤メソッドの解説記事で5つの軸ごとに整理しています。
手順5|入塾を決める──親が決めることと、子どもに決めさせること
決め方は:入塾の判断は、親が決める項目と子どもに決めさせる項目を分けて行います。通い続けられるか、授業が分かるかは子どもに委ね、費用、契約、ほかの予定との両立は親が引き取ります。全部を子どもに任せても、全部を親が決めても続きません。
最後の手順で迷う家庭は、たいてい決める項目を分けていません。子どもの「ここがいい」で決めると、費用が合わなかったときに親が後悔します。親が一人で決めると、子どもは「行かされている」と感じたまま通うことになります。
子どもに委ねる項目
子どもに委ねるのは、通うのは自分だという実感が必要な項目です。
- 授業の説明が分かったか
- この教室に週に何回通えそうか
- 質問できる相手がいそうか
聞き方にもコツがあります。「どこがよかった?」と聞くと、楽しかった塾が選ばれます。「来週もう一度行くとしたら、どっちに行く?」と聞くと、続けられそうな塾が選ばれます。
親が引き取る項目
親が引き取るのは、子どもには判断材料がない項目です。
- 年間の費用が、受験まで払い続けられる水準か
- 契約書面の中途解約の条件と、講習が必須かどうか
- 送迎、きょうだいの予定、家族の生活との両立
親の項目で候補が1つに絞れたら、その範囲の中で子どもに選ばせます。順番が逆になると、子どもが選んだ塾を親が断ることになります。子どもにとっては、自分の意見が採用されなかった経験として残ります。
臨海セミナー──面談・1か月の体験・電話での報告で、試してから決める手順を組める
臨海セミナーの手順は:臨海セミナーは、教室での面談(講座によっては事前テストも)を経て、1か月の期間で体験授業を受け、体験中の様子を講師が電話で家庭に伝えるという、試してから決める流れを公式に示している集団指導塾です。この記事の手順4を、塾の側の仕組みとして組める点が特徴です。
体験を期間で受けたいと考えても、塾によっては1回か2回の体験しか用意されていません。臨海セミナーは、公式サイトで体験の期間と流れを具体的に示しているため、手順4の予定を先に立てられます。
入塾までの流れと、体験中の報告
臨海セミナーの公式サイトでは、入塾前の流れが次のように案内されています。新中1向けの中学進学準備講座の案内では、申し込みのあと講師との事前面談と事前テストを行い、そのうえで体験授業に入ると書かれています。事前面談では志望校や学習状況を聞き取り、学習相談や進路相談にも応じるとしています。
| 段階 | 公式サイトの案内 | この記事の手順との対応 |
|---|---|---|
| 申し込み | 体験授業のフォームから教室を選んで申し込む。教室から面談の日程の連絡が来る | 手順2で絞った候補への連絡 |
| 事前面談 | 志望校や学習状況を伝え、学習相談・進路相談を受ける。新中1向けの講座の案内では事前テストもある | 手順1で書いた一文を伝える場 |
| 体験授業 | 一定期間通って、続けられそうか、合うかを試す。体験中の様子は講師が電話で伝える | 手順4の期間での体験 |
| 入塾の判断 | 家庭でじっくり検討できるよう、体験の期間を長く取っている | 手順5 |
公式のよくある質問には、体験中も入塾後も、子どもの様子を電話で定期的に家庭へ報告すると書かれています。家庭で書き留める3つのメモと、塾からの報告を突き合わせられるのは、体験期間の判断材料として大きい点です。
体験の期間と費用の条件
臨海セミナーの公式サイトでは、初めての人に向けて体験の期間を1カ月(季節講習は講習期間+1カ月)設けていると案内されています。1回や2回の体験ではなく、実際に続けられそうかを試す期間として位置づけられています。
ただし、体験は完全に無料ではありません。2026年10月の中学部の無料体験授業の案内では、期間が10月1日から31日、授業料は無料で、体験諸費として1,100円(税込)がかかると示されています。また、臨海セミナー・セレクトで1年以内に授業を受けた人は、無料体験授業の対象外と注記されています。同じグループの個別指導を使っていた家庭は、体験を前提にした予定が組めない場合があるので、先に教室へ確かめてください。
集団授業は1クラス平均20名、個別指導のコースは講師1名・生徒2名と公式のよくある質問に記載されています。集団の中で子どもがどう過ごすかを1か月見られることは、形の合う合わないを確かめるうえでも役に立ちます。
面談で先に聞いておくこと
臨海セミナーを候補に入れる場合、事前面談では次の3点を聞いておくと、手順3と手順5の材料がそろいます。
- 季節講習の扱い──公式のよくある質問では、季節講習を含めた年間カリキュラムで指導するとしている。講習を含めた年間の総額を面談で出してもらう
- 体験中の報告の頻度──電話がいつ、どのくらいの間隔で来るか。家庭のメモと照らす日を決めておける
- コースや科目の途中変更──公式のよくある質問では、コースや受講科目を途中で変更できるとしている。入ったあとに調整できる範囲を先に知っておく
他の塾は入塾までの手順をどう組んでいるか
手順の違いは:入塾までの手順は塾ごとに組み方が違い、体験を先に置く塾、学習相談を先に置く塾、入会後に取り消せる期間を示す塾があります。公式サイトで流れを確かめると、この記事の5つの手順のどこを塾の側が受け持ってくれるかが分かります。
公式サイトで入塾までの流れを確認できる3社を並べます。どれが優れているという比較ではなく、手順の組み方の違いとして読んでください。
明光義塾──教室長のカウンセリングを経て、家庭で検討する段階を置く
明光義塾の入会までの流れは、問い合わせ、無料体験授業、教室長によるカウンセリング、学習プランと授業料の案内、家庭での検討という5つのステップで示されています。入会の際に選抜のためのテストや面接はないと明記されています。
最後に「ご家庭でじっくりご検討ください」という段階が置かれ、教室の雰囲気や指導との相性も含めて検討するよう書かれている点は、この記事の手順5とそのまま重なります。体験授業は、一部の教室では見学のみの場合があると注記されています。
東京個別指導学院──見学と体験のあとに担当の先生を選び、14日間のクーリング・オフ
東京個別指導学院の中学生の個別指導のページでは、教室見学や無料体験を案内したうえで、実際の授業を受けてから学習目的や相性に合った先生を選べると書かれています(希望する先生の担当状況によっては相談になる場合があると注記)。
同じページには、入会金・年会費が不要であること、入会申込書に記載した初回授業日を含む14日以内であればクーリング・オフ(全額返金)を受け付けることが記載されています。入ったあとに引き返せる期間が示されているので、手順5の判断に迷いが残る家庭には材料になります。
個別教室のトライ──学習相談から始め、カリキュラムを作ってから担当講師を決める
個別教室のトライのご入会までの流れは、問い合わせ、教室長兼教育プランナーによる学習相談、無料体験授業、オーダーメイドカリキュラムの作成と見積もり、契約、担当講師の決定という順番で示されています。学習相談は自宅以外でも受けられるとしています。
担当講師は、目標や受講科目、性格まで配慮して選ぶとされ、出身校や合格実績などで講師を指定することもできると書かれています。手順1の「任せる仕事」を、塾の側が学習相談で一緒に言葉にしてくれる組み方です。
入塾までの流れは、同じ塾でも教室によって細部が違うことがあります。ここで挙げた内容は各社の公式サイトの案内なので、候補を3つに絞る段階の材料にとどめ、面談で実際の段取りを聞いてください。公式の説明と口コミの内容が食い違うときの読み分け方は、口コミサイトの読み方をまとめた記事で扱っています。
失敗する選び方──手順を飛ばした家庭で起きる5つのこと
失敗の多くは:塾選びの失敗の多くは、5つの手順のどれかを飛ばしたときに起きます。ランキングの順位で決める、友だちと同じ塾にする、体験1回で決める、月謝だけで比べる、子どもに黙って決める。どれも、比べる物差しを持たないまま決めた結果です。
ランキングの順位で決める(手順1を飛ばす)
ランキングの上位は、教室数や生徒数、口コミの件数で決まっていることがほとんどです。多くの家庭に選ばれている証拠にはなりますが、我が子に合う証拠にはなりません。任せる仕事を決めてから、その仕事に向く形の塾の中で順位を見てください。
友だちと同じ塾にする(手順2を飛ばす)
友だちがいると通い始めは楽になります。ただ、友だちの目的と我が子の目的が同じとは限りません。クラスが分かれた途端に通う理由がなくなることもあります。友だちの塾は候補の1つとして手順2に入れ、ほかの候補と同じ条件で比べてください。
体験1回で決める(手順4を短くする)
1回目の授業は、塾にとっても子どもにとっても特別な日です。宿題の量、2回目以降の授業の進み方、質問できる雰囲気は、1回では分かりません。少なくとも宿題をこなして次の授業を受けるところまでは試してください。
月謝だけで比べる(手順3を飛ばす)
月謝が安く見えた塾が、講習と模試を足すと年間で最も高くなることがあります。入ったあとに総額を知ると、講習を減らすか、塾を変えるかの二択になりがちです。比べるのは、いつも1年分の総額です。
子どもに黙って決める(手順5を親だけで済ませる)
親がすべて決めた塾に、子どもは「行かされている」と感じたまま通います。授業に体は出ていても頭が動かない状態が続きやすくなります。通い続けられるかどうかの項目だけは、必ず子どもに選ばせてください。
入ってはいけない塾の見分け方、つまり講師の入れ替わりが激しい、料金の説明が毎回変わるといった運営側の兆候は、中学生の塾選びで目的から形態を引く記事で挙げています。手順4の体験中に当てはまるものがないか確かめてください。
入ったあとの3か月──選び方が合っていたかを確かめる
入ったあとに見るのは:入塾後の3か月は、選び方が合っていたかを確かめる期間です。見るのは成績よりも、体験中と同じ3つ、授業を説明できるか、宿題が生活に収まっているか、質問できているかです。3か月たっても変わらないときは、原因を切り分けてから次を考えます。
入塾してすぐに成績が上がることは多くありません。教材にも進度にも慣れる時間が要るからです。入ってから3か月は、体験中につけていたメモを同じように続けてください。体験中と比べて悪くなっている項目があれば、それが面談で伝える内容になります。
3か月の間に一度、塾の面談を入れてもらってください。体験中に家庭でつけていた3つのメモを持っていくと、面談が「最近どうですか」という雑談で終わらず、どの項目がどう変わったかという具体的な話になります。塾の側から見えている様子と家庭で見えている様子が食い違っていれば、それ自体が大事な情報です。
見直しの基準も、入る前に決めておくと迷いません。私は「3か月たっても今日の授業を説明できない日が半分を超えるなら、面談で手当てを申し入れる」と決めていました。基準を先に置いておくと、成績の上下に一喜一憂せず、同じ物差しで判断を続けられます。
合わないと感じたとき、すぐに塾を替えるのではなく、原因が塾の側にあるのか家庭の側にあるのかを先に切り分けます。切り分け方と、替える前にいまの塾へ申し入れられる手当ては、転塾の判断とタイミングをまとめた記事で扱っています。中学生の場合、学年が上がるたびに塾に任せる仕事が変わるので、学年ごとの見直し方は中学生の塾選びを学年別に整理した記事もあわせて読んでください。
よくある質問
Q.塾の選び方で、最初に決めることは何ですか?
最初に決めるのは、塾に任せる仕事を一つだけです。定期テストの点を上げる、受験の学力をつける、つまずいた単元まで戻る、家で勉強する習慣を作る。どれを任せるかで向く塾の形が入れ替わるため、ここが決まらないうちに候補を探すと、どの塾も良く見えて比べられなくなります。期限と到達点を入れて、一文で書けるところまで決めてください。
Q.塾選びで失敗しやすいのはどんなときですか?
塾選びで失敗しやすいのは、比べる物差しを持たないまま決めたときです。ランキングの順位で決める、友だちと同じ塾にする、体験1回で決める、月謝だけで比べる、子どもに黙って決める、の5つが典型です。いずれも、任せる仕事・通える範囲・年間の費用・体験期間・親子の役割分担のどれかを飛ばした結果なので、手順を順番どおりに踏めば避けられます。
Q.塾を選ぶときの決め手は何ですか?
決め手は、体験期間中に子どもが授業の内容を自分の言葉で説明できたかどうかです。講師の話のうまさや教室の雰囲気は1回で印象に残りますが、授業が届いているかは宿題をこなして次の授業を受けるまで分かりません。説明が返ってくる塾のうち、講習や模試を含めた年間の費用が、受験まで払い続けられる水準のところを選んでください。迷ったときは宿題にかかった時間も比べます。
Q.体験授業は何回受ければ判断できますか?
体験授業は回数ではなく期間で考え、宿題をこなして次の授業を受けるところまで、2〜4週間を目安に受けてください。1回目は塾にとっても子どもにとっても特別な日で、いつもの授業の姿は見えません。臨海セミナーのように1か月の体験期間を公式に設けている塾もあります。候補が複数あるときは、宿題や記録が混ざらないよう、同時に並べず1つずつ順番に試します。
Q.塾選びで子どもの意見はどこまで聞けばいいですか?
子どもの意見は、通い続けられるかどうかに関わる項目で聞き、費用と契約は親が引き取ります。授業の説明が分かったか、週に何回通えそうか、質問できる相手がいそうかは子どもに委ねます。聞くときは「どこがよかった?」ではなく「来週もう一度行くならどっち?」と尋ねると、楽しかった塾ではなく、続けられそうな塾が選ばれます。子どもが選べる範囲は、親が費用で絞った候補の中に限ると話がこじれません。
Q.塾を決めるまでにどのくらいの期間をかければいいですか?
塾を決めるまでの期間は、全体で1〜2か月が目安です。任せる仕事を決めるのに数日〜1週間、候補を3つに減らすのに1週間、年間の費用と予定表をそろえるのに1〜2週間、体験に1塾あたり2〜4週間かかります。急ぐときは前半を短くしてもかまいませんが、費用の確認と期間での体験は省かないでください。入ってから移る手間のほうが大きくなります。
Q.口コミや比較サイトの評判は、手順のどこで使えばいいですか?
口コミや比較サイトの評判は、候補を3つに減らす手順で、外す理由を探すために使います。選ぶ理由として使うと、書き手の目的と我が家の目的が違うことに気づけません。講師の入れ替わりが激しい、料金の説明が毎回変わるといった声が複数の場所で一致していれば、候補から外す材料になります。最終的な判断は体験期間の記録で行ってください。
Q.入塾を決めたあとに合わないと分かったらどうすればいいですか?
入塾後に合わないと感じたら、すぐに替えず、原因が塾の側にあるのか家庭や本人の側にあるのかを先に切り分けてください。塾の側にあるなら、クラスやコースの変更、担当講師の交代、曜日やコマ数の調整をいまの塾に申し入れられます。入会後に一定期間なら解約できる制度を示している塾もあるので、契約書面の中途解約の欄も確かめます。見直しの目安は入塾から3か月です。
まとめ
塾の選び方は、任せる仕事を一つに決める、候補を3つまで減らす、年間の費用と予定表を手に入れる、体験を期間で受ける、親子で入塾を決めるという5つの手順です。前の手順で決めたことが次の手順の物差しになるので、この順番を守ると、体験を終えた時点で比べる材料がそろっています。
通える範囲と授業の形で候補を落とし、費用は月謝ではなく講習と模試を含めた1年分で並べてください。体験は1回で決めず、宿題と次の授業までを含めて2〜4週間試し、授業を説明できるか、宿題にかかった時間、質問できたかの3つを家庭でメモします。
臨海セミナーは、教室での面談のあとに1か月の体験期間を設け、体験中の様子を講師が電話で伝える流れを公式に示しています。試してから決める手順を塾の側でも組めるので、手順4を丁寧に踏みたい家庭には候補に入れやすい塾です。体験諸費がかかる点と、セレクトの受講歴による対象外の条件は、申し込む前に確かめてください。
最後の判断では、通い続けられるかは子どもに、費用と契約は親が引き取ります。手順を踏んで選んだ塾は、合わなかったときにも理由を言葉にできます。その言葉が、次の選び直しの出発点になります。

